好きなんて言えないよ。
恋梨ちゃんは黙ってその場から立ち去ってしまった。


やっぱり恋梨ちゃんは紺野君の彼女だから桜ちゃんの事が嫌いなんだ。



今まで私も紺野君が好きだって黙っていてよかった。



いつも一緒にいる恋梨ちゃんからこんな事された私はどうしたらいいか分からなくなっているはずだ。



よかった…。



私が安心していると



「ねぇ、恋梨ちゃんこの間から様子が変なんだよねっ。どうかしたのかな？」



桜ちゃんが不安そうに私に言った。



だよねっ、桜ちゃん鈍感そうだけどさすがにこんなことされたら気付くよね。



「…さぁ？」



なんて言ったら分からなくてこんな言葉しか出てこない。



「…私がしょーちゃんと付き合ったからなのかな」



…。


ザァーっと、わたしの顔色が悪くなるのが自分でもわかった。



本人の口から聞くと妙にリアルだ。



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