好きなんて言えないよ。
「…恋梨ちゃんがいてくれてよかった」


今まで私は自分のことを守るため人に甘えないように努力して来た。


だからこうやって誰かの前で泣くのは初めてだった。



「…わたしも十和がいてくれてよかったよ。わたしがクラスで一人ぼっちにならなかったのはきっと十和のおかげだと思う」


…。絶対絶対そんなことない。


恋梨ちゃんは誰にでも明るくて誰に対しても笑顔だ。


恋梨ちゃんは優しいな。


「…ありがとう。ちょっと頭の中整理できる状態になってきた気がする」


すると恋梨ちゃんはさっきと変わらない笑顔を向けた。


「私は…間々原君は十和を大切にしてくれる気がするよ」


…そうだね、多分間々原君は彼女になった人を大切にしそう。


< 212 / 256 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop