好きなんて言えないよ。
その中には桜ちゃんの姿ももちろんあった。


「頑張ろうねっ、十和ちゃんっ!」


にこにこしながらそう言う桜ちゃんにわたしは愛想笑いをしておいた。


「そうだねっ」



「ほらー、今は試合だよ、集中ー!」


私の気を引き締めようとしてくれてるのか恋梨ちゃんが私の背中を叩きながらそう言った。



それから試合はスタートをし私たちのグループは負けてしまった。


私はとりあえず皆んなの足を引っ張らないように必死だった。



「おつかれ、二人とも!」


間々原君が私と恋梨ちゃんに向かって片手を上げならそう言った。



いつも通りの態度だった。



「負けちゃったよー」


恋梨ちゃんが悔しそうにそう言うと



「でもお前シュート決めてたじゃんっ」


そう言って慰める。


間々原君って人の扱いほんとうまいよなぁ…。


さらっとフォローを入れるところ本当に尊敬する。



「まぁ、そうだけどさ」


ちょっと上機嫌になる恋梨ちゃん。






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