好きなんて言えないよ。

失った君

紺野君はあのボーリングの日から学校へ来ることも無かったし、LINEが帰って来ることも無かった。


次の日学校に行くと担任から紺野君はこれから学校に来れるか分からない。


みんなにそう伝えていた。


紺野君は一体何をしてるのだろうか。


担任に聞いても帰って来る言葉は家庭の事情でだけで詳しく教えてくれなかった。


家庭の事情だし、生徒には言えないんだろうな…。


前の紺野君の席は本人がいなくてなんだか寂しそうに見えた。


はやく帰ってこないかな…。


わたしは次の授業の理科の教科書を机の中から引っ張り出した。


すると一枚の紙切れがピラピラと床に舞った。


…え?


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