好きなんて言えないよ。
わたしは一枚の紙切れを見た。


書いてあった内容を見てみると


"逢瀬、授業中本読むなよ?"


ヘタクソな字で書いてある。


…?え、この字はもしかして紺野君…?


ちょっと濃くてくせのある字体。


この字は紺野君で間違えない。


だって紺野君がわかんない時私に教えてと見せてきたノートの字体によく似ているから。


うそ…。


いつから書いた…の?


なぜか分からないけど目から大粒の涙が流れてきた。



「…どうしたの?十和…?」


近くにいなかったはずの恋梨ちゃんがいつの間にか隣いた。



「…ご、ごめん。なんでもない…」


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