好きなんて言えないよ。

私は教室から出て桜ちゃんの行きそうな場所に向かった。


「ちょっと、十和！？」


後ろから恋梨ちゃんの声が聞こえた。


「…桜ちゃんなら知ってるかもしれない」


私は恋梨ちゃんに歩調を合わせて一緒に歩き出す。


「確かに彼女なら何か知ってるかもね」


「うん。私紺野君にもう一度会いたい」


すると恋梨ちゃんはフッて笑ってて


「十和変わったよね。なんかすごく変わったよね」


…え？私が変わった…？


「え…？」


「だって前の十和だったら無理だよ無理！って言って私の後ろにひっついてたじゃん」


…確かに。