好きなんて言えないよ。
「…多分ね、紺野君のおかげなんだ」


私がそう笑うと恋梨ちゃんはうんって笑ってて…


「ほんと十和には負けるなぁ…。はやく桜ちゃん見つけよう!昼休み終わっちゃう!」


私の手を引っ張り小走りで歩き出した。



桜ちゃんは図書委員だから週一回で図書室にいることがある。


私と恋梨ちゃんはキョロキョロと図書室を見渡した。


その姿には違うクラスの男子と楽しそうに話す桜ちゃんの姿があった。


「居たよっ」


私が恋梨ちゃんにそう言うと恋梨ちゃんはなぜかむすっとした顔をして


「行くよ、十和」


先頭を切って桜ちゃんの元へ向かった。


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