好きなんて言えないよ。
すると、



コンコン



前の席の紺野君が手だけをあたしの方へ向けてきた。



体は前を向いているからどんな顔をしているか分からない。




ん、なんだろう?




あたしがそう思って紺野君の手を見ると手の中から紙切れが出てきた。




ん、なんだろう?



あたしは不思議に思い、その紙切れを受け取った。




すると、紺野君の手は元の位置へ戻って行った。




中を開いて見ると、




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俺でも起きてるのに
逢瀬寝るなよ~


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下手くそな字でそう書かれてた。






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