好きなんて言えないよ。
な、なんだこれは!?
…あたしのこと逢瀬って呼ぶんだ。
この前まで逢瀬さんじゃなかったけ?
…少し、嬉しかったり。




あたしはそれを見て、紙切れの隅に



“紺野君の方がよく寝てるじゃん”



そう小さな字で書いておいた。



そして、そおーーっと、紺野君へと渡した。





すると、紺野君はあたしが書いた文章を、読んでからふぃと後ろを向き、




「寝てねぇーよ」




そう言うと前を向いてしまった。





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