好きなんて言えないよ。
「早く保健室行ってきなよ!」



あたしがそう言うと



「大丈夫だって!まだ片付けあるし♪」



そう言ってさっきの掃除の続きをしようとする紺野君。



そんな紺野君を見て、胸が締め付けられる。



こんな時なのに、彼はいつでも周りのことを考えて行動しているのだ。




あたしが心配になって、そんな彼を見つめた。



やっぱり、ダメだ。




「ね、やっぱり行ってきて。あたしは大丈夫だから。一人でできるから、行ってきて」




紺野君はその言葉を聞いて一瞬迷った表情を見せたが




「ありがと。ちょっくら行ってくるわ!また戻ってくるから!!」



そう言って保健室へと行ってしまった。




紺野君はあたしをかばって怪我をしてくれたのだ。




その優しい気持ち、あたしにとっては彼の一番良いところだと思う。






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