好きなんて言えないよ。
「おーいっ、逢瀬〜??」



心配そうにあたしの顔を覗いてくる紺野君。



名前を呼ばれて前を向きそうになるが、そこをぐっと抑える。




「…………」




「だーーー、もうっ」




ちょっといらついた声でそう言った。



うっ、怒っちゃった??



怒っちゃったかな??



どうしよぉー、意地悪しなきゃ良かったよおおお。



あたしが後悔して居る時




「おい、頬にご飯粒付いてる」




えっ!?



それを紺野君に言われてあたしはバッと前を向き、頬に手をあてた。



ご飯粒がついている気配はない。





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