御曹司の秘書さんのため息◆

とりあえず、俺の机からどいてほしい。
パソコンも立ち上げられないじゃないか。

「ーーーんーーー。」

ちょっと考えるように、天井を仰いでから 
ひょいっと 始さんは 飛び降りる。

身軽だな。

「・・・。あの、何をして おいでで?」

今がチャンスとばかりに、
パソコンの電源を入れ、机周りを整頓しながら
恐る恐る聞いてみる。

上司である、昴様より、この人は何を考えているのか解らない。

今日の服装も
奇抜である。

紫のスーツっぽい上下(でもスーツじゃなさそうだ)に
和柄のモノトーンなコート・・・?みたいなの。

あぁ、こんなのどこで売ってんだろうな。

いくら、イケメンでも、
ダンディでも、
なかなか これは インパクトありすぎる。


「うーーん。そうだなぁ、なぁ、お前は天井から、こっちの壁に斜めに
 っていうのは、どうだい??」


「・・・。なにが・・・でしょうか?」

主語がねぇ!!

なんなんだ、いったい。

思わず、眉間にしわがよりそうになるが
そこはぐっとこらえて、笑顔で返す。

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