御曹司の秘書さんのため息◆
いつものように始業準備。
「なぁ。教えてくれよってば。」
「・・・教えません。
どうぞ、さっさと席に戻って
先ほどの書類らしきものを拝見なさっては?」
銀縁メガネを改めて
かけなおす。
ぶつぶつ言いながら、昴様は席に戻る。
始さんがあっさり引き下がったわけ?
そんなの決まってる。
「思い通りになる市川 武。」だったからだ。
気が付いてないと思てんのか?
昴様も、始さんも、
ただ、思い通りにならず、反発して意見を言う俺が気に入ってるだけだ。
ただ、
はい、あなたの言うとおりに。というやつなら
傍に多くいるだろう?
ただ、反対意見を いう 思い通りにならない俺が『面白い』だけ。
だから、
あっさり引き抜きを承諾した俺は『面白くない』わけだ。