御曹司の秘書さんのため息◆
つまりだ。
単純に、好かれてた??
「おぉーい。市川。なに、普通の話に衝撃受けてるんだよ?」
呆れたように、
グラスを拭きだした親友を横目に、
「・・・まさかだろ?
お嬢様の 気まぐれ だろ?」
「ふぅん。
気まぐれだけで、10年も好意をよせるのか?
ずいぶん、ながーーい『気まぐれ』だな?」
呆れたように
ニヤリと笑いながら、
正樹は二杯目のコーヒーを静かにおいた。
「まぁ、コーヒーでもいかが?」
湯気が ふわりと立ち上がる。