初恋ハニー

初恋はハチミツ味




「ちょっ、ちょっと待ってよ‼」

佐々木くんの強い視線を避けるように足元をみた。


「いきなり過ぎて、何がなんだか分からないよ…」



だって…佐々木くんとなんて、しゃべったことないし。




ドキドキと困惑でパニックになった私はその場から立ち去ろうと背中を向けた。



逃げようとする私の手首を、佐々木くんは黙って掴んだ。


「俺は、突然なんかじゃないよ。」

静かに、だけど強く言った。



佐々木くんの真剣な眼差しが私の判断力を鈍らせる。



「俺は入学してすぐの頃から、ずっと笹川さんのことが好きだった。」



そのとき佐々木くんから甘い香りがした。

はちみつ…?




「笹川さんをいつでも守りたい。いつも一緒にいたい。
…こんな気持ち、初めてなんだよ。」




佐々木くんの真剣な眼差しに吸い込まれてしまった私は、もう目をそらすことができない。



身体が熱くって、心臓はバクバク。

これって…



恋?


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