ama-oto
習慣的な約束だけが二人の間に横たわっている。土曜日の夕方に、清人は私の部屋に来る。それだけは変わらずに残っている。清人はそれを律儀に守っている。帰ってくる場所はここなのだろうか。そう信じてしまっていいのだろうか。
「それでいいのか?」
窓を開けてベランダに出た。初夏の夜風は思っているよりも冷たい。心地いいのだが、ずっとそこにいると冷え切ってしまう。私と清人の関係は、こんな夜風のような関係なのだろうか。見上げた空は薄く雲がかかり、ぼやけた月が心もとなげに浮かんでいた。
柔らかくて頼りない視線の向こうにある、本心は一体どこを向いているのだろうか。
「それでいいのか?」
窓を開けてベランダに出た。初夏の夜風は思っているよりも冷たい。心地いいのだが、ずっとそこにいると冷え切ってしまう。私と清人の関係は、こんな夜風のような関係なのだろうか。見上げた空は薄く雲がかかり、ぼやけた月が心もとなげに浮かんでいた。
柔らかくて頼りない視線の向こうにある、本心は一体どこを向いているのだろうか。