ama-oto
画面がブラックアウトしてすぐに着信音が鳴り、危うく携帯電話を放り投げそうになった。画面を見ると、かけてきた相手は清人だった。1度深呼吸をして電話に出た。
昨日のことは、昨日見てしまったことは、心の戸棚にしまって、カギをかけておくことにした。
清人は昨日同様、心の底から私を心配してくれていた。がさごそとビニール袋の音が遠くに聞こえた。電話によると、もうすぐアパートにつくということだった。バイトは休みにしたそうだ。心の中のトゲがチクリと痛んだ。悪いことをしてしまったという罪悪感が、靴底からしみ込んだ雨水みたいに、ジワリジワリと心に入り込んできた。
電話を切って鏡を見た。情けなく腫れている瞼を、気休め程度に冷やした。聞かれたら、適当に答えるしかない。
ほどなくして、インターフォンが鳴った。何も考えていなかったから、服装も何もかもが適当だけれども、そのことは忘れ去って、玄関に向かった。
ドアの向こうに、いつもと少し違う、心配そうな目をした清人が立っていた。
「昨日はごめ…」
「よかった。」
謝罪の言葉より先に、清人の腕が私を捕らえていた。心の中のとげが、静かに、熱を持ったように、チリチリと痛んだ。
昨日のことは、昨日見てしまったことは、心の戸棚にしまって、カギをかけておくことにした。
清人は昨日同様、心の底から私を心配してくれていた。がさごそとビニール袋の音が遠くに聞こえた。電話によると、もうすぐアパートにつくということだった。バイトは休みにしたそうだ。心の中のトゲがチクリと痛んだ。悪いことをしてしまったという罪悪感が、靴底からしみ込んだ雨水みたいに、ジワリジワリと心に入り込んできた。
電話を切って鏡を見た。情けなく腫れている瞼を、気休め程度に冷やした。聞かれたら、適当に答えるしかない。
ほどなくして、インターフォンが鳴った。何も考えていなかったから、服装も何もかもが適当だけれども、そのことは忘れ去って、玄関に向かった。
ドアの向こうに、いつもと少し違う、心配そうな目をした清人が立っていた。
「昨日はごめ…」
「よかった。」
謝罪の言葉より先に、清人の腕が私を捕らえていた。心の中のとげが、静かに、熱を持ったように、チリチリと痛んだ。