ama-oto
2
図書館を出るまでに、雨は止んでいた。図書館にいる間、私の携帯は一度も動かなかった。着信も、メールもなく、マナーモードにしてもしなくても、他人に迷惑はかからない状態だった。
たぶん、行ったとしても、情けない濡れネズミ状態だっただろう。悲しいけれども、選択しなかった現実の答えだ。
「助かったー。OPAC検索してからうろうろしたりしてたんだけど、あんなとこにも参考資料があるなんて思わなかった。雨降ってよかったー。」
「お役に立てたなら、こっちもよかった。それじゃ、また来週。」
サクッと帰って、資料の続きでも読んで、来ない連絡でも待とうと思っていた。
「待った!」
言葉と同時に、腕をつかまれた。なにごとかと思って振り返ると、またニヤリとした顔をしていた。
たぶん、行ったとしても、情けない濡れネズミ状態だっただろう。悲しいけれども、選択しなかった現実の答えだ。
「助かったー。OPAC検索してからうろうろしたりしてたんだけど、あんなとこにも参考資料があるなんて思わなかった。雨降ってよかったー。」
「お役に立てたなら、こっちもよかった。それじゃ、また来週。」
サクッと帰って、資料の続きでも読んで、来ない連絡でも待とうと思っていた。
「待った!」
言葉と同時に、腕をつかまれた。なにごとかと思って振り返ると、またニヤリとした顔をしていた。