ama-oto
 授業は2コマ。夜の予定を見越して、早めにアパートを出て、1時間図書館の地下書庫にこもった。お昼を食べて授業を受け、約束の時間までの間、さらに図書館の書庫にこもった。来週の抄読会準備やらレポートの下準備やらを一気に進めた。区切りがついたところで携帯の画面をONにすると、時刻はもうすぐ18時だった。知香との約束は19時なので、一度アパートに荷物を置いて向かえばちょうどいい。

 荷物を片づけて、席を立った。心おきなく知香とご飯食べて飲める、というウキウキした気持ちで図書館を出た。

 「豊崎さんも帰り?」

 図書館のエントランスでのびをしたところで、福間くんから声をかけられた。

 「おー、お疲れ様。今帰り?」
 「そ。いやー、ホント疲れた。」

 傘袋を取ってゴミ箱に捨てながら、福間くんを見た。
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