ama-oto
 今日は、確か、水曜日。18時頃に清人が来る。アパートに帰って、部屋を片付けたい。

 『帰る』

 私は話をしていた相手にそう告げて、席を立とうとした。

 『待てよ』

 相手は私の腕をつかんだ。

 ぶーんぶーん、とマナーモードにしたアラームの音が部屋に鳴り響いた。枕もとの携帯を探り、充電のコードを抜いて、アラームを切った。

 夢か。

 ベッドから起きようとして身をよじると、隣に無防備に寝息を立てる清人が見えた。もう一度携帯の画面をつけると、日付は木曜日の午前6時だった。
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