ama-oto
 「なんかさ、ワインとかカクテルじゃない、ビールなんだよね。」
 「なにそれ。」

 分かるような、分からないような、そう言われる女子ってどうなんだよって思えて、おなかの底から笑えてきた。

 「日本酒みたいに強くはなくて、梅酒みたいに甘いという
わけでもなくて、苦味も魅力なビール。」

 ホッケをつつきながら、福間くんがそう言った。どうにも気になってしまったので、そのまま聞いてみた。

 「結局のところさ、あまり女性らしくない、というか、
おっさんってこと?」

 ちょっと噴き出しそうなのを抑えつつ、がははと笑いながら、福間くんが答えた。
< 95 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop