恐怖短編集
その時
暗い部屋の中、私は膝を抱えてうずくまっていた。
小さな六畳一間のアパートにはタンスが一つ。テレビも、ラジオも、何もない。
頭に何かがうごめく感覚があって、私はそっと自分の頭に触れてみた。
少し触れたダケなのに、弱った肌はズルリとはがれて、白い骸骨が姿を現す。
触れた方の指の爪も剥がれ落ちて、その間からウジ虫が這って出た。
私はそれを見た瞬間、心からの喜びを覚えた。
腐っている! 死ねる、やっと死ねる!
その場で飛び跳ねて大声で叫びたいほど嬉しかったが、そんな元気は残っていなかった。
目の間からウジ虫が出入りする感覚を覚えながら、私はそっと瞳を閉じた……。
小さな六畳一間のアパートにはタンスが一つ。テレビも、ラジオも、何もない。
頭に何かがうごめく感覚があって、私はそっと自分の頭に触れてみた。
少し触れたダケなのに、弱った肌はズルリとはがれて、白い骸骨が姿を現す。
触れた方の指の爪も剥がれ落ちて、その間からウジ虫が這って出た。
私はそれを見た瞬間、心からの喜びを覚えた。
腐っている! 死ねる、やっと死ねる!
その場で飛び跳ねて大声で叫びたいほど嬉しかったが、そんな元気は残っていなかった。
目の間からウジ虫が出入りする感覚を覚えながら、私はそっと瞳を閉じた……。