恐怖短編集
確かに、毎日毎日気分は悪い。


けれど最近、それが気持ち悪い、という思いから少し離れて行っていることに、私自身気づいていた。


電車通学を始めた一日目から今日まで絶え間なく続くチカン行為。


最初の頃はショックで誰にも話せずに、一人で泣いてばかりいた。気持ち悪くて、思い出しては嘔吐を繰り返したこともある。


「駅員さんは何とかしてくれたの?」


恭子の質問に、私は俯き、答えられなくなる。


数日前、何度も続くチカンに私ではなく恭子が耐え切れなくなり、駅員さんにすべてを話ししてくれたのだ。


その時の恭子はまさに仁王さまのような顔をしていて、止めようとしても止められるものではなかった。


恭子は私から聞いていたすべてのことを話し、駅員さんも今まで気づかなくて悪かった、と頭を下げるまでしてくれた。
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