*嘘月とオオカミ先輩*


飲みの帰り、それぞれ同じ方向のヤツが一緒になって帰宅する。

そしてオレはなんとあの無愛想ちゃんと一緒の方向で、しかも最寄の駅まで一緒だった。


無言の電車内。

そして無言の夜道。



き……気まずい。



「つ……ツッキーん家は何丁目なの?」

「……ツッキー?」

「や、ツキシマだからツッキー? オレ、人にあだ名付けんの得意でさ――って気に入らなかった?」

「いえ、いいですツッキーで」




月島はちっとも笑わない。

オレの彼女とは全然違うタイプだと思った。

初対面で緊張してんのかもしんないけど、愛想笑いすらしないなんて。


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