＊嘘月とオオカミ先輩＊

「ラケットは下側から上に持ち上げるように振ってみてね」

「は、はい！」


普段のクールっぷりからは想像もできないくらいイイ返事。

多分、自分でも周りに遅れを取ってるって自覚してるんだろう。



カゴが空になったところで一旦休憩し、１年全員にボール拾いをさせた。


ネットの端でその様子を見てると、



「あの子、可哀想なくらい運動神経鈍いね」



もう１人の世話係が、月島を見てこそっと呟いた。