*嘘月とオオカミ先輩*
20歳にもなってオンラインゲームにハマッてる旧友をじっと見据える。
「んじゃーお前の趣味ってどんなんだよ」
「ん? 俺? 俺はもっと猫っぽい顔で、はねっかえりなのに甘え上手な……」
「オレの彼女もそんな感じじゃん」
「バカっ、おまえんとこの浮気娘と一緒にすん――……」
そこまで言って口を噤み、琥太郎は「ごめん」と呟いた。
そしてコントローラーを投げ出して伸びをする。
「お前さ、そんなに何度も裏切られてよく水野ちゃんのこと好きでいられんな」
「好きだから許せるんじゃん」
即座に答えたオレに、琥太郎は悲しげな表情をした。