*嘘月とオオカミ先輩*
-過去-7月 決壊と気付き
それは7月の蒸し暑い夜。
みんな汗だくでテニスを終えて、更衣室でシャワーを浴びてから各々いつもの飲み屋に集合した。
「サクヤ、最近愚痴んねーじゃん。上手くいってんの?」
3年のヤツらに訊かれ、オレは上機嫌で答える。
「おーばっちりよ」
「へぇそりゃ良かったな。あんな可愛い子あんま捕まえらんねーから、しっかり縛っとけよ」
「言われなくても分かってるよ」
周りの連中を笑顔で一蹴する。