*嘘月とオオカミ先輩*
「まーそんな落ち込むなよ。良かったじゃん先輩と切れて」
あたしの肩を叩きながら、明るく笑うコウキ。
その軽そうな外見とは裏腹に、実に真面目な世界観を持ってる。
「浮気相手なんかしてても不幸が待ってるだけだって」
「そうそう、これを機にまっとうな恋愛しなよ」
手に持ってたアイスカフェラテのストローをくわえながら、コウキに同調するエリ。
「まっとうな恋愛……?」
エリの言葉を繰り返して、あたしは考え込んでしまった。