*嘘月とオオカミ先輩*
「えーいいじゃん。それでハルカが先輩を忘れられれば良し。新しい恋に目覚めたらなお良し。でしょ?」
その言葉に、コウキは考え込むように腕を組んだ。
そこへ追い討ちをかけるように言葉を紡ぐエリ。
「ね、コウキ、ハルカのためにも」
言いながらまっすぐあたしに視線を向けてくる。
「ハルカだって、早く先輩を忘れてラクになりたいでしょ?」
その言葉に心臓がトクンと反応した。
先輩を忘れて……?