*嘘月とオオカミ先輩*



「えーいいじゃん。それでハルカが先輩を忘れられれば良し。新しい恋に目覚めたらなお良し。でしょ?」



その言葉に、コウキは考え込むように腕を組んだ。

そこへ追い討ちをかけるように言葉を紡ぐエリ。



「ね、コウキ、ハルカのためにも」



言いながらまっすぐあたしに視線を向けてくる。



「ハルカだって、早く先輩を忘れてラクになりたいでしょ?」



その言葉に心臓がトクンと反応した。




先輩を忘れて……?

< 165 / 382 >

この作品をシェア

pagetop