*嘘月とオオカミ先輩*
「ホント真面目だな」
苦笑しながらぽつりと提案する。
「じゃあ今日のサークルは休めよ。1日くらい休んだってどうってことないだろ?」
「んーでも……」
言いかけたあたしの言葉を遮るように、コウキは鞄から何かを取り出した。
「ほら、映画の優待券あるから行こうぜ。期限が今日までなんだよ」
2枚のチケットをヒラヒラ揺らして、机に頬杖をつく。
「うーん」
それでもまだ渋っていたあたしの腕を取って、コウキは立ち上がった。
「たまには『彼氏を優先する』。これも大事な恋愛技術だぞ」