*嘘月とオオカミ先輩*



「あ、そろそろ休憩終わんじゃね? 戻んないと」



先輩はナイター用の照明が輝くコートの方を見やった。



ていうか、先輩はずっとここでサボってたんじゃ……。

と思いながらハッとする。



「あ、あたしボール探さないと。先輩先に戻ってください」



周囲の暗がりに目を向けようとした瞬間、



「はい」



視界を遮るように先輩の手が突き出された。


< 24 / 382 >

この作品をシェア

pagetop