*嘘月とオオカミ先輩*
そのまま尻餅をついたオレの姿はうまい具合に藪に隠れたことだろう。
「あれ? ツッキー、今誰かといなかった?」
姿は見えずとも、そののんびりとした口調で、ここにやってきたのが緑川だということが分かる。
「う、ううん、1人だったよー。ちょっとボール探してたの」
「なーんだ、そっかー。あ、そうそう、先輩が呼んでるから戻ろ?」
オレの方を心配げに1度だけ見ると、月島はそのまま緑川の方に駆けていった。