*嘘月とオオカミ先輩*
「おーおー、ナナミのやつ、サクヤにベッタリだなぁ」
そう声を掛けてきたのは、サクヤ先輩と同じ3年の三條先輩だった。
頭に捲いていたタオルを外し、長い髪を両手で掴んで後に束ねあげてる。
ナナミ、と呼ばれたのは、今サクヤ先輩と話をしている同じく3年の女子の先輩だった。
本橋七海先輩。
はっきりとした口調でずばずばと物事を口にするナナミ先輩は、1年の女子から少し怖がられている。
そんなナナミ先輩が、サクヤ先輩に『べったり』?