*嘘月とオオカミ先輩*
「ちょっとエリ! 先輩、すみません。同じクラスのエリとコウキ……です」
「なんだ。コウキが言うほど悪くないじゃん。プチイケメンて感じ」
あたしがフォローしてもエリは我が道を行く。
コウキはコウキで、ふて腐れたように佇んだまま。
そんな友人2人にため息が零れてしまう。
それでも、
「そりゃどうも。ハルカがいつもお世話になってます」
笑顔で大人の対応をする先輩に、少しだけ心臓が鳴った。