*嘘月とオオカミ先輩*

 

友達にサクヤ先輩を彼氏として紹介してる。
 


そんな日が来るなんて、少し前までは想像もしてなかったのに。
 

と、



「まったくですよ、もう!」
 


あたしの感慨を吹き飛ばすようにエリが語気を強めた。



「この子、先輩のことでいろいろ大変だったんですよー」

「エ、エリ!」
 


何を言い出すのかと思い、立ち上がってエリの服を掴む。

それでも彼女はあたしを片手で押さえて先輩に言葉をぶつけた。


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