*嘘月とオオカミ先輩*




「すっごい不器用な子だけど、散々泣いたんだから、もうこれ以上泣かさないでくださいよね!」



 
茶色い巻き髪をふわっと揺らしてそう言い放つ友人に、あたしと先輩は呆気にとられる。  

 
そして少しの間の後、

サクヤ先輩は、まるであたしのお母さんを前にしてるかのように、




「最大限に努力します」 
 



礼儀正しく頭を下げた。



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