*嘘月とオオカミ先輩*



「先輩っ!」



追いついてテニスウェアの広い背中を掴む。

びくりと体を揺らしてから、驚いたように振り返る愛しい人。



「えっ、ハルカちゃん」



少し焦った口調であたしの名前を呼ぶ。



「先輩、ごめ――」



言いながら先輩の手元に視線を向けた瞬間、頭が真っ白になった。



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