*嘘月とオオカミ先輩*




「オレの方が月島にハマって告白したんだよ。元カノのことは正直疲れてたし、とっくに冷えてたから。オレが純真な月島に癒されて好きになんのは道理だろ?」



少しいたずらっぽく言い放ち、サクヤ先輩はあたしの頭に優しく手をのせた。



「元カノの話題はお前らが盛り上がるネタだから、別れた後も敢えて提供してやってたんだよ。月島には居心地悪い思いさせちまったけど」



手から感じるぬくもりに、涙が出そうになる。





サクヤ先輩の嘘つき。





あたしが奇異な目で見られないように、全部自分のせいにして、すべてのことが自分に降りかかるように話してる。


< 369 / 382 >

この作品をシェア

pagetop