*嘘月とオオカミ先輩*
「すいませんね怪力で」
じろっと睨みつけると、先輩は「そんな言い方してないでしょ」とさらに笑った。
もう、そんなふうに笑うのはやめてほしい。
2人でお店にいるっていうシチュエーションがいつもと違って凄く新鮮で。
先輩の笑顔に、いつも以上に胸が沸き立ってしまう。
心臓が鳴り過ぎて痛いよ。
と、先輩がパッとラケットを1つ取り上げた。
「これとかどう?」
それは白に赤のラインが入った有名なメーカーのラケット。
これ……。