*嘘月とオオカミ先輩*



「あーごめん。正直オレ、これしか使ったことないから、他のはよくわかんないんだよね」

「……ですよね」




ほらね。


そんなとこでしょ。



ため息を吐くあたしに、先輩は慌てたように取り繕う。



「あ、でもマジこれ使いやすいから! 買って損はないと思うけど!」

「……営業の下手な店員みたいですね」



慌てっぷりが可笑しくて苦笑すると、先輩も照れたように笑顔を見せた。

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