*嘘月とオオカミ先輩*
期待してしまうんだ
細かい花が散りばめられた華やかな壁紙。
店内を彩る可愛い装飾品。
手作りっぽいぬいぐるみの小物。
確かに男の人1人じゃ入りにくそうなその店は、サクヤ先輩が焼き鳥屋で言っていたケーキ屋だった。
「可愛いお店ですね」
「だしょ? ゼミで女子が騒いでてさー。1回来てみたかったんだよね」
「先輩て……可愛いものが好きなんですか?」
乙女な発言に容赦なく突っ込みをいれると、先輩は慌てたように首を振った。