*嘘月とオオカミ先輩*
「いや、だから女の子はこういうとこ好きだろうなーと」
「はぁ……」
「あり? ツッキーは嫌いだった?」
「いえ、大好きです。これでも内心興奮状態です」
あたしの淡々とした言葉に、先輩がぷはっと吹き出す。
「まじか。じゃあもっと感情出せって」
「すいません、わかりづらくて」
興奮状態なのは本当だけど、それは先輩とこの場所にいるからです。
そんなことは口にできず、あたしは運ばれてきたクランベリーパイを頬張った。
程よい酸味と甘味が広がって、身体の底から幸せが込み上げる。