*嘘月とオオカミ先輩*
『だってサクちゃんが構ってくれないから』
電話口で彼女は逆切れした。
確かに忙しくて電話できないこともあったけど。
だからって悪いのはオレなのか?
寂しがりで惚れっぽくてふわふわした彼女は、別の男に告られ、ヤるだけヤって戻ってきた。
しかもこれが初めてじゃない。
『ねぇサクちゃん、怒ってるの?』
当たり前だろ!
自分のオンナが他の男にヤられたってだけで、ハラワタが煮えくり返りそうになるのに……。
前回の傷がようやく癒えそうだっつー矢先に、なんで同じことを繰り返す!?