*ミーくんの好きなひと*


並んで手すりにもたれ、景色を見下ろす。
 
乾いた風が、2人を慰めるようにやさしくそよいだ。
 


不意にミーくんのぬくもり思い出し、痛みを感じる。
 

あの整った顔を思い描いて、




「……いつかきっと後悔させてやる」
 


静かに、心に誓った。



「もっともっといい女になって、惜しいことしたって思わせてやる」
 


なかばヤケ気味に闘志を燃やしていると、ノゾミがびっくりしたようにこちらを向いた。




「……なんか、前向き」


「まあね」
 



あの能天気サッカー野郎に感化されたなんて、認めないけど。




「少しでもマシな未来にしたいし」






< 107 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop