*ミーくんの好きなひと*
並んで手すりにもたれ、景色を見下ろす。
乾いた風が、2人を慰めるようにやさしくそよいだ。
不意にミーくんのぬくもり思い出し、痛みを感じる。
あの整った顔を思い描いて、
「……いつかきっと後悔させてやる」
静かに、心に誓った。
「もっともっといい女になって、惜しいことしたって思わせてやる」
なかばヤケ気味に闘志を燃やしていると、ノゾミがびっくりしたようにこちらを向いた。
「……なんか、前向き」
「まあね」
あの能天気サッカー野郎に感化されたなんて、認めないけど。
「少しでもマシな未来にしたいし」