*ミーくんの好きなひと*


座卓の上には起動中のノートパソコンが置いてある。
 
ささっとこのメモリを差し込んで、さくっと中を確認しちゃえば、きっとバレない。
 

でも……。
 

親指大のメモリを手の中で転がしながら迷う。
 

人のものを勝手に覗くって、泥棒みたいじゃない?
 

でも衣装ケースに入れてあるなんて、隠してたみたいで怪しい。
 

気になる。
 

見たい。
 


けど。
 


散々悩んでる間に、お風呂場の扉が開いた。
 

狭い部屋の中、出てきたミーくんと目が合う。


「なにやってんの」

「あ、えっと、これは……」



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