*ミーくんの好きなひと*


「いい、やっぱなんでもない」
 

×印をクリックしてフォルダを閉じ、そのままパソコンの電源を落とした。
 

ああ、もう。



「ねえミーくん、あたしにも、ちょうだい」
 

微笑みながらスポーツドリンクを指差すと、


「……ああ、はい」
 

飲みかけのそれを渡してくれた。
 

ペットボトルに口をつけながら、気持ちが濁ってくのを感じる。
 


……やっちゃった。
 

きっとあたし、開けちゃいけない箱のふたを開けちゃったんだ。 
 


写真の中の女の子。
 


ミー君はきっと、あの人のことが好きだったに違いない。
 


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