*ミーくんの好きなひと*
ミーくんは忙しい。
大学に6年も通って、沢山の専門的な知識を身に着けて、試験に備えなきゃいけない。
それは、自立した大人の人間になるまで、がむしゃらに突っ走っていけるように、ミーくん自身が選んだ道だった。
他の何も考える余裕がないくらい、忙しくありたいと。
そう願って進んだ道。
「なのに、萌との時間が居心地よくて……甘えてた」
頭を下げたまま、低くつぶやく。
「悪い。ほんとごめん」
「あたし、邪魔だった……?」
訊きながら、胸の奥が重くなる。
頑張っていろいろ我慢してたつもりだけど、やっぱり負担になってたのかな。
私の問いかけに、ミーくんは首を振った。