*ミーくんの好きなひと*
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頑張れば、夢は叶う。
そんな薄っぺらいスローガンを考えたのは、いったいどこの誰なんだろう。
安易に夢は叶うなんて断言しておいて、いざ叶わないとなると頑張りが足りない証拠だ、なんて、責任逃れも甚だしい。
世の中には、どんなに頑張ったって手に入らないものがある。
下校中、駅で手渡された予備校の案内をぐしゃぐしゃに丸めて、ゴミ箱に放った。
その直後、低い声に背中を叩かれる。
「あれ西野さん、A塾の模試受けないの?」
今捨てたのと同じ案内用紙を手に、サッカー部の森川が爽やかな笑みを浮かべていた。
倉庫裏で大泣きしてるところを見られて以来、顔を合わせるとちょっと気まずい。
「何でいるの」
そっけなく言うと、心外というように目を開いた。