Extreme city
と。

「羅刹さぁん!」

下の方から声が聞こえた。

眼下を見れば、アガート・ラームからの戦利品であるサングラスのひとつをカチューシャのように頭につけている明日葉が、羅刹の方を見上げていた。

「もうすぐ試合ですよぉ!」

「…もうそんな時間か」

瓢箪に蓋をして、羅刹は立ち上がる。

「試合前なのに、お酒なんて大丈夫ですかぁ?」

明日葉の声に。

「これしきの酒…寝酒にもならん」

鬼の面の下で、羅刹は笑ったように思えた。

< 107 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop