Extreme city
ゴッッッッ!

ソールの分厚いブーツの踵が、雨久の鼻面にめり込んだ。

ボールのようにオクタゴンの床を跳ねて転がっていく雨久。

「5秒だって言ったろ?」

ゴツゴツとブーツの音を立てて不動は近づき。

「あ?聞こえてんのか小僧?聞き分けのねぇ餓鬼はムカつくから嫌いだぜ?言われたら返事だ、おい、聞いてんのか?」

大の字になったままの雨久の顔を踵で何度も何度も執拗に足蹴にする。

白いマットに飛び散る血。

試合ではなく一方的な暴虐。

今夜の試合がアンダーグラウンドマッチにされた理由でもあった。

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